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レインボウ

Author:レインボウ
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絵は2万ヒット記念に「白狼の聖」さんから頂いたものです。素敵すぎて困る。次の絵をお願いに行くのか、この絵をしばらく続けるのか。実は悩んでいたりします。気に入ってるからね。

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ガンダム00 感想再開・前夜祭 (1?19話まとめ+妄想)
次回の20話から(おそらく)感想記事を再開するので、ここで一度19話までで気になった部分のまとめをしてみようと思います。
「機動戦士ガンダム00」

     「ソルに対する言及を中心に」



[GNドライブ]

 GNドライブが表しているものは何か。
 それはおそらく、「個の肯定」なのだと思います。

 通信やレーダーを無効化するのは、他からの影響を受けつけない絶対的な「聖者の衣」を羽織っているということなので、ガンダムの「神聖性」であるとか「絶対性」を詠っているのだと観ていました。
 ですが、スローネ達の登場によって、それが本当に表しているのは「個の肯定」であるということが分かりました。


 スローネドライの能力「GNステルスフィールド」は、いわば「布教」であって、 

世界を「断絶」し、コミュニケーションによる「創造を抑止」し、ひとつの概念で「縛り付ける」

 そういう働きを持っています。

 トリニティ側のGNドライヴ[T]の[T]には、いくつか意味合いが付加されているのでしょうが、そのうちのひとつはやっぱり「taboo」(禁忌、禁制)なのだと思います。

                       「断絶の象徴」

 彼らの「taboo」な強制断絶に対して、プトレマイオス側のGNドライブが表しているのが、「個の肯定」。 

全体に埋没せずに、たしかにそこに存在している。 (個の肯定)
そこに存在するだけで、他に影響を及ぼす。 (全体の創造)


 他者とは決定的に異なる。
 そんな存在の「特異性」を極端に表したのが、GNドライブによるガンダムの「不可視性」であって、そのガンダムが持つ「特異性」を肯定的に描くことによって行われるのが、「個の肯定」なのだと思います。

 そして、その個が全体へと影響を与え、新たな関係であるとか概念などが「創造」される。

 スローネ側とは完全に逆ベクトルの性質を持っているのが、プトレマイオス側のGNドライブなのでしょう。 

内側へと収束していき、そこから外へと広がっていくのが、プトレマイオス側。
外側へと散布していき、そこから内へと縛りつけていくのが、スローネ側。



 ところで、ひとつ気になるのは第19話で明かされたティエリアの「トライアルシステム」。
 これは「個の否定」じゃね? レインボウの野郎、相変わらず論が破綻してやがるw
 とか言われそうなんで、こちらもきちんとした説明を。


 ティエリアが「トライアルシステム」を使用できるのは、「ナドレ」の形態において。
 ここで思い出して欲しいのが、「ナドレ」の由来である「両性具有者」。

 これはつまり、「共存不可の事象における共存」を表していて、僕が「(旧)感想」において主張してきたガンダム00のメインテーマ:「共存」を「ナドレ」が体現しているということです。

 「トライアルシステム」は、
 それぞれ異なる「個」を、「共存」という概念によってまとめ上げる。
 ということの象徴なのでしょう。

                       「共存の象徴」


 さて、しかし元来の「トライアルシステム」の目的は何なのか。
 そのひとつの可能性は、後にお話しする「イオリアの最終目的」の項目にて。




[妄想タイム]

 (長くなるので、ここでひとまず小休止。いつもの妄想でも)

 僕が物語の核であると見なしているものは、「愛と熱さ」。熱いシーンを作るには何が必要かということに、重きを置いています。
 GNドライブの「不可視性」というものを利用して、一体どんな熱いシーンが作れるか考えていましたが、その中で一番描かれる可能性が高いものは「英雄登場」のプロットかなぁ、と観ています。

 世界の危機的状況。
 駆けつけるのか、どこにいるのかすら分からないガンダム。
 だけど、人々は彼らの登場を信じ、それに答える形で突然ガンダムが登場する。

 こういう王道的な展開で描かれるんじゃないかなぁ。
 案外、この「ガンダム00」という作品のテーマである「信仰」とも合致していると思うんですけど。

 見ること、触れることが出来ない、そもそも存在するのかすら怪しい抽象概念なんだけど、それでも人々はその存在を信じていて、人々が信じている(信仰している)からこそ、それに答える形でその概念は生まれる。

 このように、上に書いた展開をそのまま「信仰論」へと変換することが可能です。

 さらに、「人々が待望→登場」という流れは、現在までの「人々が望んでいない→介入」という流れを完全に逆ベクトルへと転換することになるので、おもしろいと思うのですが。

 第1話のエクシア登場は、そもそも「英雄登場」プロットのパラメーターを逆ベクトルに走らせたものでした。
 第1話との対比の為に、軌道エレベーターへの「介入」ではなく、軌道エレベーター倒壊に対する「防衛」という形で「英雄登場」をするのでしょう。

 「壊すなよ!? 壊すなよ!? も?う! 壊すなって言ったじゃん!」という只ならぬ芸人臭が軌道エレベーターから漂っていますしね。

 少し真面目なことを言えば、「天上と地上を繋ぐもの」の象徴である軌道エレベーターが、あんなにも細く、壊れやすそうなものであるのは非常に綺麗な作り方です。 (共存の難しさと、脆さを表現。だからこそ大切だということも)

 「共存」の象徴である軌道エレベーターは、一度壊されてそれに対する代替物としてガンダムがくるのか、再建するのか。もしくは、皆で守りきるのか。
 いずれにしても楽しみです。




[ティエリア・アーデ]


                   「ティエリアのカッコ良さは異常」

 ヴェーダにアクセスすることが可能であり、「トライアルシステム」という能力まで持つ(おそらく)人工生命体。

 彼が「共存」の象徴である「ナドレ」を駆っていることから、彼自身も「イオリアが目指した共存」を内包する存在となるのだと観ることが出来ます。

 それでは、彼が「内包」することになる「共存」とは何か。

 第10話において、初めて「ナドレ」を世界に晒した時、彼は自身を見失って複数の一人称を使用しました。
 そこから、ティエリアのアイデンティティは、
 「自分 = ヴェーダ = ティエリア・アーデ」
 というものである事が分かります。

 人工生命体である彼は、ヴェーダに蓄積された様々な人間達の情報を取り入れることによって成長してきたのでしょうが、実際に他の人間と深く接触したことがなかったので、彼は自身に「ティエリア・アーデ」を見出す事が出来なかった。

 膨大な量の情報を包括している「ひとつ」。それが彼にとっての「ヴェーダ」であって、その「ヴェーダ」と「自分」を重ね合わせることによって初めて、彼は「ティエリア・アーデ」を見出すことが出来たのでしょう。 

 あの場面、「ナドレ」を晒した時。
 彼は「自分」と「ヴェーダ」の隔離を痛感し、人間達の渦に飲み込まれてしまいます。 (八つ当たりという非常に人間らしい方法で緊急回避しますが)


 ティエリアの物語、それは「ティエリア・アーデ」の獲得。
 ヴェーダには「ない」のだけれども、ティエリアの中には「ある」もの。それに彼が気付いた時、獲得は成されるのでしょう。


 ここで問題になってくるのが、ティエリアの「アイデンティティ獲得」がイオリアの計画の中心であるかどうか。

 もしも、それが中心ならば――。
 その可能性から話を進めてみようと思います。



[イオリアの最終目的]


                   「壮大な妄想の幕が上がる」


 ティエリアがアイデンティティを獲得するということはつまり、情報集積体のようなものであるヴェーダには「ない」ものを獲得するということです。

 情報、予測。それらのものはいずれも「過去」の性質を内包していて、また「全体」の性質(マクロ視点など)も同様に持っています。

 それに対して、アイデンティティや個人の想いというものは、「未来」の性質(可能性)を、それと同時に「個」の性質(ミクロ視点など)を内包しています。

 「過去と未来」、もしくは「全体と個」の共存内包がイオリアの計画の中心であったのならば、その最終目的として推測できるものに、
 「世界の創造」「抽象概念の顕在化」
 というものがあります。


 後者はガンダム00のテーマ的にはおもしろそうですし、すごく綺麗な目的にはなるのですが、やっぱり前者の方が可能性が高いんだろうなぁ、と観ています。

 ティエリアやリボンズ。 「生命の生成」
 GNドライブ。 「無限エネルギーの獲得」

 それらを成した科学者が次に作り出そうとするものは、やっぱり「世界の創造」じゃないでしょうか。
 新たな世界を創造することによってイオリアは「神」となり、「歪みのない完全な世界」は実現する。

 「ガンダムSEED DESTINY」でデュランダル議長が成そうとした「ディスティニープラン」の強化版みたいな感じで。


 それに必要となるのが「過去と未来」、「全体と個」、つまり「世界」を内包した存在(ティエリア)と、GN粒子。
 「ヴェーダ→ティエリア」というラインで彼を生み出し、マイスターたちとの活動を通して成長させる。
 そして今度は、「ティエリア→ヴェーダ」という流れで彼を巻き込んでしまい、「ナドレ」によるガンダムの収束。擬似太陽精製からのGN世界創造という順に計画は進んでいく・・・。


 ・・・えぇ、妄想過多です。本当にありが(ry


・[イレギュラー達]


                  「リボンズがある意味主人公」

 もしこれらが正しいのならば、ティエリアがヴェーダ離れをする状況が必要となります。
 それにはヴェーダの予測を超えた事態が発生しなければならない。

 その「イレギュラー」要因が、リボンズなのでしょう。
 彼の役回りは「SEED DESTINY」のキラ側である、いわゆる「ディスティニーブレイカー」のそれであって、彼自身は定められ、関与出来ない状況からの脱却なり変革を望んで行動して行く。

 「世界が変われば良い」というリューミンの考え方と、通じる所があるのではないかなぁ。定められた計画なり運命を変えたいという想いは。

 「予測内のイレギュラー」として仕組まれているリボンズですが、彼が利用しようとしている人間、アレハンドロ・コーナーは同時にリボンズを利用しようとしている。

 アレハンドロこそ完全なるイレギュラー、「予測外のイレギュラー」なのでしょう。
 彼の支配下(?)にあるスローネ達もまた、「予測外のイレギュラー」。



 イオリアの目的が何であるにしても、「予測外のイレギュラー」が介入してくることによって物語は、完成されたシナリオから未知の可能性を多分に含んだカオスな状況へと歪んでいきます。


 もしかしたらそこから、さらにもう1段階。
 今度は「視聴者」という「予測外のイレギュラー」がガンダム00に介入していく。
 そんな構図を狙っている可能性も、この作品は内包しています。


 もう本当にね、このシナリオの快感は並じゃないですよ。
 ここまで来たら構成を観ただけでカタルシスを感じてしまいます。 スゲェや。
 







[おまけ]
マイスターズに関するいくつかの言及。

・刹那はソランの過去を(マリナによって)受け入れる。
そうすることで、彼自身の「共存」を見つけていくのだと思います。

 刹那であり、ソラン。
 お隣さんであり、マイスター。
 少年にして、刺客。


・ロックオンだけは既に「共存」を内包している。 (矛盾という形で)
情報をリークしているのも、案外彼なのかもしれません。

 「そんな、兄貴が裏切り者だったなんて」
 「ああ、そういうことさ、悪いな」
 (一悶着あった後)
 「やっぱり兄貴は、兄貴だったんだ」
 「・・・ちっ、損な役回りだぜ、・・・まったくよ」
 (ガクっ)
 「兄貴ーーーーー!!!」


・今回の記事で書いたような妄想が当たっていたのならば、ティエリアってのはヒロインのポジションですよね。

 なるほど、ティエリアは昨今流行のツンデレヒロインなのか。
 刹那×ティエリア
 ・・・アッー! そんな趣味は持ってないよー!


・アレルヤは、以前にも書いたようにハレルヤとの「共存」。

 ・・・え? 他に何か? ないよ。
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ガンダム00 (新)感想 | 【2008-02-18(Mon) 18:35:40】
Trackback:(4) | Comments:(2)
コメント

非常に面白い考察なんですが
イオニア→イオリアですよー!!!
コメント失礼します
2008-02-18 月 18:43:50 | URL | 通りすがり #- [ 編集]

こんにちは、通りすがりさん。

>イオニア→イオリアですよー!!!
な、なんだってー!!!

ご指摘ありがとうございます。感謝。

まさか、復帰後いきなりこんな大ボケをかますとは思ってもいませんでした。
まさにこれこそが、「予測外のイレギュラー」ですね! (←ロクなものじゃない)

コメントありがとうございました。
アホなことばっかり書いてますが、宜しければまた読んでやって下さい。
2008-02-18 月 19:26:16 | URL | レインボウ #6.b9uQAc [ 編集]
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灯里「もちろんグラハムさんの出番はありますよね?『ねんがんのガンダムのビームサーベルを手に入れたぞ!』とか言って」
【2008-02-18 Mon 20:47:46】 | 白狼PunkRockerS
 「これが、人間か」(ティエリア・アーデ)  『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』の視聴ネタバレ感想、第19話「絆」の感想です。
【2008-02-18 Mon 21:06:52】 | ランゲージダイアリー
機動戦士ガンダム00の第19話「絆」に関する記事を書いたらトラックバックしてください。 初回放映日:2008/02/16
【2008-02-18 Mon 23:06:41】 | 機動戦士ガンダム00 トラックバックセンター
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